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新潟県ホーム の中のUターン・Iターンの中の【十日町】十日町市に移住し起業された髙橋美佐子さんをご紹介します。
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【十日町】十日町市に移住し起業された髙橋美佐子さんをご紹介します。

2016年06月30日
 平成25年4月に十日町市にUターンし、地域おこし協力隊員としての2年半の活動期間を経て、平成28年1月、十日町市飛渡地区の三ツ山に農家民宿「茅屋や」(かやや)をオープンさせた髙橋美佐子さん。Uターンを決意した背景、起業に至る経緯、最近感じることなどについて、お話をお聞きしました。

全国の頑張る人々の姿に心を動かされる

 十日町市の出身です。高校卒業後に都会に出てホテルで15年ほど勤務し、Uターン前は食品の流通関係の仕事をしていました。
 文字通り全国各地を飛び回っていた平成23年3月、東日本大震災が発生しました。全国各地で頑張る生産者の仕事ぶりを目にしてきた中での出来事で、それをきっかけに自分の地元である十日町市のことが気になり始めました。今度は自分が頑張る番だと思ったのです。
 こうして十日町に帰って何かやりたいという思いが日増しに強くなっていきました。

「茅屋や」と手前に広がる水田(平成28年5月18日撮影)

髙木さんとの出会い

 実は初めから地域おこし協力隊員になろうと思っていたわけではありません。都会にいて十日町市に戻ることを考えていた頃から、既に古民家を使ったレストランか民宿をやりたいという考えがあり、不動産屋さんを通じて手頃な古民家を探していたんです。
 ところが、なかなか良い物件に巡り会えず、たまたま地元にいる親戚に相談したところ、地域おこし協力隊という制度があることを知りました。また、当時現役の隊員だった髙木千歩さん(現在は株式会社YELL 代表取締役)と出会ったことで、一気に、隊員に応募する気持ちが固まっていきました。

「茅屋や」の正面玄関(平成28年5月18日撮影)

地域おこし協力隊員になる

 平成25年4月1日、飛渡地区担当の地域おこし協力隊員になり、髙木さんなど先輩隊員や地域の人々に支えられながら活動を始めました。
 隊員としての活動は多岐にわたりましたが、その一つが「田毎(たごと)の月観月会」の開催です。これは「茅屋や」がある飛渡地区三ツ山で、毎年5月か6月の水田に水が張ってある満月の夜、夕方から地域内外の人が集まって棚田に映る満月を眺めます。
 現在「茅屋や」となっている古民家に巡り会ったのは、隊員として3年目の春でした。空き家になり、とり壊すことが決まったとのことだったので、それならば、と使わせてもらうことに決めたのです。

田毎(たごと)の月の様子(平成28年5月22日撮影)

開業に向け準備を始める

 古民家レストランか農家民宿を実現するため、具体的に準備を始めたのはこの頃(隊員3年目の春)でしたね。隊員任期は平成28年3月末まであったのですが半年早く退任させてもらい、本格的に取りかかっていきました。
 行政関係の手続きは一つひとつ手探りで進めていった感じです。保健所、南魚沼地域振興局地域整備部、消防署とぐるっと何周かした気がしますね。でもどこでも「教えてください」というスタンスで臨んだのが良かったのか、割と親切にしてもらえたと思っています。
 建物の改装は自分でもやりましたが、大工さんや飛渡地区にインターンで来ていた馬場さん(現在はNPO法人十日町市地域おこし実行委員会職員)など、多くの地域の方に手伝ってもらいました。
 こうして平成28年1月11日、念願の農家民宿「茅屋や」を開業することができました。

「茅屋や」の外観

隊員としての活動を振り返って感じること

 私は、地域おこし協力隊員になる前から、やりたいことがはっきりしていたのですが、やはり目標が明確な方が、周囲の人もサポートしてくれる気がします。
 地方での起業を考えている人にとっては、最長3年間、地域おこし協力隊員として活動できるのは、準備期間を得られる意味でもベストではないでしょうか。地域の人に受け入れてもらい、人脈を築いていくことができる点に魅力がありますね。仮に自分が隊員になっていなかったら、どうなっていただろうと思うこともあります。
 自分はUターン者なので地域のことについて多少知っていましたが、Iターンの方などは、地域の雰囲気や生活習慣を知る上でも大変貴重な期間になると思います。これから移住を考える方、地方での移住を考える方は、地域おこし協力隊員も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

大地の芸術祭では地元野菜でおもてなし(平成27年7月26日撮影)

開業して半年近く-改めて感じる十日町の魅力

 開業当初は自分1人で運営していたのですが、すぐに無理とわかりました。現在は知り合いに協力してもらい、お陰様で円滑に運営できるようになりました。感謝しています。
 それから人を雇うことによって、きちんと経営しなければならないとう責任感も出てきて、仕事に取り組むモチベーション向上にもつながったと感じています。
 今年の春は早く雪が消えましたが、それでも地形が十分に分からず除雪で苦労したこともあります。でも昨年の春はゴールデンウィーク後も除雪していたので、それより楽ではあったことは確かです。反面、雑草が早く生えてしまうので、最近では除草作業に汗を流しています。

 うちは農家民宿なので、農家としての顔もあります。田んぼ1枚と畑を耕して、そこで採れた物をお客様に提供していきます。
 現在、山菜料理のレパートリーを増やすことを目指しています。山に入ってみると、本当に豊かだと感じます。地域のお年寄りが、自分はもう採りにいくのが大変なので、と言って場所を教えてくれたりするのもありがたいですね。
 でも、親切にしてもらっている集落の人も高齢の人がほとんどで、10年後など不安な部分があるのも正直なところです。田舎に魅力を感じてくれる人もいると思うので、入ってきてほしいと思います。

 十日町の魅力-やはり人のよさですね。確かに地域のみんなが知り合いという環境では、気を遣う部分もありますが、支えてもらえている安心感は大きい。自然の良さも魅力ですが、やはり人の良さが最大の魅力ではないかと思っています。実際に足を運んで泊まっていただいて、十日町の魅力を感じてもらえたらうれしいですね。

茅屋やの前で(平成28年5月18日撮影)

(たま記)